木材の分類ですが、『針葉樹』と『広葉樹』があります。
nicoでは優しい手触りと入手性の良さ・価格などから、
パイン(松)などの針葉樹を使っております。
両者の違いですが、
物理的には「比重」と「表面硬度」の差異になります。
つまり、重さと堅さですね。
針葉樹は軽くて、やわらかい。
広葉樹は重くて、かたい。
広葉樹の家具は高価なものが多いのですが、
成長に長い時間がかかるなど材そのものが高価なので、
当然製品の価格も高価になるわけです。
ただ、どちらが優れているというわけでもなく、
それぞれ良さがあり、目的に合わせて使い分けるのが大事だと思います。
針葉樹の中で、ホームセンター(HC)で売っていて、
DIYでもよく使う「SPF材」というものがあります。
エスピーエフと読むのですが、
マツ科のスプルース(Spruce)
マツ属のパイン(Pine)
モミ属のファー(Fir)
の頭文字をとって総称した輸入材になります。
原産は主に北米やカナダ。
この3種類の木材は強度も見た目もよく似ているため、
「SPF材」という一括りで販売されています。
HCで、こんな感じで売ってます。
白い木肌です。
大量に仕入れるため価格が安く、柔らかいので加工が容易。
ほかの角材とは違い面取り(角を丸くする加工)がしてあって、
加工に失敗しても金銭的ダメージが少ないのがうれしい。
このようにとても安価な材料なのですが、
注意深く材を選び、製材し、正確に加工して組み立て仕上げを施せば、
きちんとした作品を制作することが可能です。
ここから選択・使用時の注意点。
まず、とても水分に弱いので屋内向けです。
ウッドデッキなどに使って外に放置すると、腐ってすぐダメになります。
それで、まず何よりも「乾燥していること」が重要になります。
乾燥が足りない材だと、どんなにいい加工をして組み立てても、
制作後に湿度の変化で捻じれなどトラブルが生じます。
なので、乾燥した材を選ぶ必要があるのですが、
話はかんたんで室内で保管されているものを買えばよいです。
室内は空調が効いていて、これは人工乾燥させているのと同じ。
お店によっては屋外に放置?されているところもあるのですが、
外においてあるものは買わないほうが無難ですね。
基本的に現地(北米など)で人工乾燥してから船便で日本にやってくるのですが、
その間に反ったり、捻じれたり、割れたり、曲がったりする材が出てきます。
たとえばこんなカンジで。
グイーンと曲がってます(笑)。
狂いが出ていると工作が非常に面倒なので、
売り場の人には申し訳ないですがじっくり吟味する必要があります。
写真のアングルで材をジーっとにらんで、反ったり捻じれたりしていたらアウト。
あと、写真のグイーンと曲がってる材は『芯持ち材』というのですが、
木の芯の部分が断面に見えます。
この後確実に芯の部分から割れてくるのでアウト。
それと、『抜け節』とか『死に節』とかいうのですが、
節の部分が今にも抜けそうだったり、抜けてなくなってるのもアウト。
電源コードとか通せばいいかもしれませんが。。。
あえて選ぶ理由はありません(笑)。
『SPF材』の特徴はこんなカンジで、
安価である分、短所や欠点も当然あるのですが、
手に入りやすいですし、材が持つ優しさや柔らかさがスキです。
きちんと木作りして加工してあげれば十分な強度が得られると思います。
あと、これはSPFに限った話ではないですが、
無垢の材を直射日光のあたる場所や湿度が大きく変わる場所に保管すると、
割れたりそれたりしやすいので注意が必要ですネ。
失敗のリスクが小さいので、ぜひSPFでDIYを楽しんでほしいです*
わからないことがあれば、HCのおじさんや僕に聞いてみてください♪